キャッシュレス決済比率、4割達成!
日本では、2023年にキャッシュレス決済比率が 40% に到達しました。これは政府が掲げた「2025年までに40%達成」の目標を 1年前倒し でクリアした形です。しかし、欧米諸国ではキャッシュレス決済の比率は 60% 程度、中国や韓国では 80% にも達しており、日本は依然として世界的には遅れをとっています。
政府は次なる目標として 「2027年までにキャッシュレス比率を50%以上」 を掲げていますが、この目標を達成するには、さらなる利便性向上と加盟店側の課題解決が必要です。
QRコード決済の圧倒的王者はPayPay
日本のQRコード決済市場は PayPayの独壇場 です。2024年時点で利用者は 6700万人 を超え、QRコード決済の 7割 以上がPayPayによるものです。PayPayは大規模プロモーションで一気にユーザーを獲得し、今や日本のキャッシュレス決済の代表的存在となっています。
ただし、QRコード決済自体の市場シェアはキャッシュレス決済全体の3割程度 にとどまっています。日本ではクレジットカードや電子マネー(Suica、PASMOなど)の利用も根強く、QR決済だけでキャッシュレス比率を押し上げるには限界があるのが現状です。
PayPay、楽天、三井住友FGの経済圏の比較
QRコード決済では PayPayが圧倒的王者 です。しかし、経済圏全体での規模や多様なサービス展開では楽天と三井住友FGに遅れを取っている のが現状です。
PayPay | 楽天 | 三井住友 | |
銀行 | 800万超口座 | 1620万口座 | 2900万口座 |
クレジットカード | 1250万枚 | 3140万枚 | 3770万枚 |
証券口座 | 120万口座 | 1165万口座 | 1300万口座 |
楽天経済圏 は、楽天銀行、楽天証券、楽天市場、楽天モバイル など、多岐にわたるサービスを提供しているのが大きな特徴です。これらのサービスを連携して利用することで、楽天市場でのポイント還元率を効果的に引き上げることができます。
一方、三井住友FG経済圏 では、三井住友銀行の口座、クレジットカード、SBI証券口座、Vポイント などのサービスを、「Olive(オリーブ)」 という1つのアプリでまとめて管理できるのが強みです。Oliveを利用すれば、資産管理・決済・投資をスムーズに行うことができます。
また、PayPay は、PayPay銀行への円と米ドル預金で年利2% という高金利にして、PayPay銀行への口座開設数増加を狙っています。
小規模店舗にとってのQR決済導入の課題
QRコード決済には 「時間短縮」「人件費削減」「顧客利便性向上」 といったメリットがある一方で、特に 小規模店舗 ではデメリットも多く存在します。
小規模店舗のデメリット
- 初期導入コスト:端末の購入や設定にかかる費用負担。
- 手数料負担:売り上げの 2〜3% を決済事業者に支払う必要がある。
- 入金のタイムラグ:売上金は翌月振込が基本で、現金と比べて 資金繰りが厳しくなる。
特に資金繰りにシビアな小規模店舗では、入金の遅れが経営に影響を及ぼすケースもあります。
ユーザーと店舗の視点から見た課題
ユーザー側の課題
- ポイントの有効期限や使い道の制約
- QRコード決済の読み取りミスや通信障害リスク
- 現金払いより心理的ハードルが高い層への対応
店舗側の課題
- 手数料負担増による利益圧迫
- キャッシュフローの遅れによる資金繰り悪化
- 導入に伴うスタッフ教育やトラブル対応の手間
これらの課題を解決することで、キャッシュレス社会のさらなる拡大が期待されます。
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